オーナーシップ
2016/06/27
中谷彰宏氏の心に響く言葉より…
カレー屋さんでカレーを注文して、順番を抜かされることがあります。
ここで、クレームになります。
飛行機内のクレームも、旅行代理店のクレームも、食事に関するものが一番多いのです。
直接、生存にかかわることだからです。
しかも、あとから来た人がカツカレーで、自分はすぐできるポークカレーです。
その人は、お客様側の意識になっています。
お客様意識は、他者思考です。
そういう時に、「なぜこの出来事が起こっているのか」「どのシステムに問題があるのか」と考えます。
これが、オーナー思考です。
お客様意識は、メンタルが弱くなります。
オーナー意識になると、メンタルは急に強くなります。
習いごとでも、お客様意識で行く人がいます。
グループレッスンで、「私よりあの人のほうがレッスン時間が長い」と言うのです。
その時間をはかっている間が、もったいないです。
ムダなことをする前に、一生懸命レッスンすればいいのです。
「先生がほめてくれない」と文句を言うのは、お客様意識です。
「私は客なのに」とか「お金を払っているのに」と言う人は、お客様として扱われます。
「師匠と弟子」「先生と生徒」の関係ではなくなります。
サービス側にまわることは、オーナー側にまわることです。
オーナー側にまわると、見方が変わります。
上司に対して文句を言うのは、「部下」というお客様意識です。
上司がわけのわからないことを言っていたら、自分は社長の意識に立ちます。
「自分が社長なら、この上司をこういうふうに教育するけどな」と思った時点で、上司にはイラッとしなくなります。
あらゆる場面において、たとえ自分がお客様でもオーナーの意識に立つようにします。
「お金を払っているのに」とか「オレは客だぞ」と叫んでいる人が、一番メンタルの弱い人です。
サービスサイドにまわることで、メンタルが強くなります。
助けられる側より助ける側のほうが、メンタルが強くなるのです。
『嫌いな自分は、捨てなくていい。』Gakken
たとえば、飲食店をやっている人が、他の繁盛している店を見に行って、ただただ感動して帰ってくる人がいる。
感動するのが悪いわけではないが、本当の商人なら、感動してその後、「自分ならどうする」という行動に結びつける。
ただ感動だけしている人は、お客さんであり、商売でいうなら素人。
本当の商人は感動される側をめざす。
これは逆に言うなら、クレームでも同じ。
どこかの飲食店に入ってひどい対応をされたとき、「そうか、自分ならこんな店をつくる」というように、そこに勝機があると、怒らずにニンマリする。
お客としてお金を払う立場と、商人としてお金をいただく立場とでは、天と地ほど違う。
オーナーシップ(オーナー意識)とは、目の前の一事を我が事としてとらえる自発的で情熱的な主体的姿勢のことであり、当事者意識のこと。
オーナーシップは何も経営的な話ではなく、自律した大人を目指すなら、誰もが必要な意識。
オーナーシップを持ちたい。
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